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2005/07/07 掲載 「卓球部の試合−生徒へのアドバイスに腐心−朝日新聞秋田版朝刊」

 6月18日〜20日の3日間、秋田市中学校総合体育大会(中総体)がありました。中総体は中学校生活の大きなイベントの1つです。地区大会の上位校(者)が県大会に出場し、その上位校(者)は東北大会、全国大会へ出場とつながっていきます。 

 今年の中総体は男子卓球部部長として、卓球会場に行きました。大会前、男子監督から「試合中、コーチとして、ベンチに入ってほしい」と言われました。何事も経験が大切なので、快く引き受けました。でも、選手へのアドバイスで勝敗が決まるのかと思うと、責任を感じました。 

 日頃、地域の公民館やクラブチームで、僕も卓球の練習をしています。練習中に、仲間が「ラケットの振りを速く」「戻りを速く」などのアドバイスしてくれます。中学生時代にどんな練習をしていたかや中学生向けの練習方法を教えてくれる人もいます。5年前から、卓球を始めた僕には、とても参考になります。 

 学校では、ときどき、相手がいない生徒と一緒に打ち合います。その際、僕は、校外の卓球仲間から受けたアドバイスを基に、気づいたことを生徒へ伝えます。しかし、いつも暗中模索。僕の卓球経験で、アドバイスしていいのかなと悩みましたが、気づいたところは積極的に伝えていこうと思いました。 

 中総体前日、選手には「決して、あきらめないこと。最後の1本まで、勝負は分からない」とげきを飛ばしました。選手一人一人が納得のいく試合をしてほしかったのです。 

 中総体当日。卓球の試合は1セット11点の5セットマッチ(3セット先取)です。1セットが終わると、選手がベンチに戻ってきます。その1分間に選手にアドバイスします。 

 どのようなアドバイスをしたらよいか、以前に卓球仲間に相談していました。「気づいたことがたくさんあっても、試合に没頭している選手には届かないので、多くを語らない。精神的なことと技術的なこと。この二つで、いいんじゃないかな」。これを聞いて、僕は選手に「いけるぞ!」と自信を持たせるアドバイスを心がけました。 

 試合中、選手はもちろん監督やコーチ、部員が一つになり、点が入ると「ヨッヨッヨッ!」と喜び、1点を失うと「ドンマイ!」と励ましました。団体戦で、相手サーブの返し方をアドバイスして、そのサーブをうまく返して得点できたとき、思わず心の中で「ガッツポーズ」しました。 

 結果は個人戦で1人が県大会出場を果たしましたが、男子団体は県大会出場はなりませんでした。 

 選手が1番悔しいはずです。試合後のミーティングで「3年生は卓球を通して、多くのことを学んだと思います。そのことを毎日の生活に生かしてほしい。1年生と2年生は、この悔しさを胸に秘めて、毎日の練習をがんばっていこう」と話しました。 

 今、1、2年生の新チームで練習が始まっています。男子卓球部の部長として、部員たちに何ができるのかを考えています。卓球仲間に相談すると、その仲間は「生徒と一緒に打ち合うと、生徒は喜ぶと思いますよ」と言いました。 

 先週の土曜日の練習日。生徒と一緒に打ち合いました。その様子を見ていた保護者は「生徒にかかわってくれて、すごくうれしい」と言ってくれました。少し自信を持ちました。



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