>> 前のページへ戻る


2004/11/10 掲載 「40周年記念式典-生徒と手作り最高の舞台-朝日新聞秋田版朝刊」

10月30日、秋田西中の創立40周年記念式典が本校体育館でありました。記念式典は3部構成で、その第3部で、メンバー全員が西中卒という音楽グループ「麗奈」のバンド演奏を聞きました。生徒、職員、保護者たちは手をたたいてリズムを取ったり、いすの上に立ち上がったりして、会場全体が一体となり、演奏に酔いました。 

 さて、今年の文化祭(9月20日)に僕は、同僚のI先生と「自遊人」というユニットを結成し、オリジナルソング『風になれ』を歌いました。その後、生徒や地域の方から反響がありました。その中に「『風になれ』を創立40周年の式典で記念ソングとして歌ってほしい」という声がありました。今度は「自遊人」の2人だけでなく、1年生の生徒13人でつくるグループ「愉快な仲間たち」と一緒に歌うことになりました。 

 式典の10日前、僕たちは一緒に歌う1年生の生徒たちとミーティングをし、2人が『風になれ』に込めた思いを話しました。そして、1カ月ぶりに『風になれ』を歌いました。この時、僕は「君たちもメッセージの伝達者だよ。君たちが加わることで、この歌のメッセージをより大きなパワーで伝えていきたいと考えている」と話しました。 

 記念ソングの演奏は「麗奈」のバンド演奏の合間でした。僕たちは「麗奈」から記念ソングに移る場面で「愉快な仲間たち」の簡単な寸劇や『風になれ』を歌うときの演出を考えました。西中は「麗奈」と僕の母校だ、というのをコンセプトにして、僕が簡単なシナリオを考え、生徒たちと話し合いました。 

 13人の生徒の役割を決め、ほぼ毎日、放課後に練習し、生徒が下校した後は、僕とI先生の2人で記念ソングの演出について話し合い、歌を練習しました。『風になれ』の1番は2人で歌い、2番目のサビから「愉快な仲間たち」も加わって歌うことにしました。2番目のサビは腰に手を当てたり、手拍子をしたり、生徒一人ひとりの自由な自己表現にしました。それぞれ違った方が全体的にまとまり、メッセージが伝わると考えたからです。 

 一緒に記念ソングの演出をつくり上げることを通して、13人の生徒と十分に語り合うことができました。今度は、全校生徒とコミュニケーションをとりたい……。演奏当日、僕ら2人は上下とも黒でそろえて、帽子をかぶって登場。会場からは拍手が起こりました。約700人の前で記念ソングを歌い始めると、すぐに手拍子が起こり、立ち上がる生徒もいました。「自遊人」と「愉快な仲間たち」は、最高のステージを楽しみました。 

 演奏を聴いた生徒たちからは「かっこよかったよ」「今度、クラスに歌いに来てよ」との声。『風になれ』の歌詞を口ずさむ生徒もいました。多くの生徒たちに、「自遊人」と「愉快な仲間たち」のメッセージは伝わったと信じています。 

 生徒たちが歌を聞いて少しでもポジティブになってくれたら。そんな期待を胸に歌をつくり、歌いました。その気持ちを新屋・浜田地区の皆さん、同僚の先生方が受け止めてくれたからこそ、記念式典で演奏することができました。 

 「オリジナルソングをつくろう」と声をかけてくれたI先生には、心の底から感謝しています。「ありがとう」。I先生と「今度は、生徒と一緒に歌って踊れる歌をつくろうか」と話し合っています。さて、どうなることやら……。



[前のページ] [ガクちゃん先生の学校通信] [次のページ]

このサイトの写真・文章などは、手段や形戴を問わず複製・転載することを禁じます。