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2004/04/28 掲載 「母校の1ケ月-無意識に口ずさんだ校歌-朝日新聞秋田版朝刊」

先日まで、秋田市の新屋大川端帯状公園で桜まつりが行われていました。教室から桜並木が一望できます。母校に赴任して、一カ月が過ぎようとしています。 

「やっぱり、西中は母校だな……」と思ったことがありました。それは12年ぶりの校歌です。母校へ赴任が決まったとき、前任校のある先生に「校歌を覚えているか」と聞かれました。「中学校3年間で、あれだけ歌ったのだから覚えているはず」と口ずさもうとしましたら……すっかり忘れていました。 

5日の新任式の中で、校歌斉唱がありました。僕は隣の先生の肩を借りて、起立しました。ピアノ伴奏を聞いたとき、前任校では忘れていた歌詞を、無意識に口ずさんでいました。壇上に向かって起立して校歌を歌っている生徒に、自分の姿を重ね、大きな声で歌っていました。校舎はほとんど当時のままで、この教室で過ごしたこと、ここで女子生徒にチョコをもらったこと……いろいろな中学校の思い出がよみがえります。 

新屋地区は、僕が育った地域です。この地域で育ったからこそ、今の僕があります。生徒と思い切りかかわり、より良く育てていくことが地域への恩返しと思っています。地域の方々への感謝の気持ちを忘れないで、教師生活を送っていこうと思います。 

6日の入学式。先生方に背広から礼服への着替えを頼みました。ボタンの付け外しとネクタイをやってもらいました。このようなことを通して、同僚の先生方に僕のことを知ってもらいながら、コミュニケーションを図っていきます。 

1年生の学年集会で、生徒たちには、こう自己紹介しました。「この壇上に上がるときもサポートの人が必要です。学校生活で、いろいろな不便さがあると思います。その不便さをみんなと一緒に乗り越えていきたい」 

学年集会が終わった後、生徒が集まり、「センセイ、不便なことがあったら、何でも僕たちに言って」と言ってくれました。思わず、頭をなでました。



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