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2003/9/10 掲載 「卓球−打ち合いで通う心の交流−朝日新聞秋田版朝刊」

 6日に第1回秋田県障害者スポーツ大会がありました。身体・知的・精神障害者の大会が一緒になった初めての大会で、県内の障害者スポーツでは最大規模の祭典です。僕は卓球に出場しました。 

 障害者スポーツは、障害の程度に合わせてグループ分けして、試合をします。今年は僕と同じ障害区分の対戦相手がいなかったので、無条件で4年連続の金メダルでした。別の障害区分の人たちとも試合をし、1勝1敗でした。1試合目が0−3で負けて、2試合目が3−2で勝ちました。2試合ともサーブミスを連発するなど、自分のミスから相手に点数を与えてしまい、納得のいく試合でありませんでした。勝ち負けの問題でなく、緊張して、身体がガチガチになり自分らしさを発揮できなかったことが悔やまれます。メンタル面で大きな課題が残りました。 

 4年前、家の中で悶々(もん・もん)と教員採用試験の勉強をしていたとき、気分転換になればと「秋田市障害者卓球教室」に参加したのが最初の出会いでした。地域の「みなと卓球サークル」や県身体障害者卓球協会に参加し、最近は秋田大学卓球部の練習にも交ぜてもらっています。初めの頃、僕と一緒に打ち合うことにためらっていた人も、一緒に打ち合うことで、徐々に打ち解けていきました。今では「一緒に打ち合おう」と気軽に声をかけてくれます。言葉のいらない世界に、完全に魅了されています。 

 ラケットは、持ちやすく、力が入りやすいシェークハンドを愛用しています。「石の上にも三年」と言うように、練習すると、必ずうまくなります。学習も同様ですが、練習を積み重ねていくことで、確実に上達しています。 

 次の夢は、パラリンピック。「夢は大きく」が僕の信条。どこまで成し遂げられるか分かりませんが、挑戦していきたい。夢に向かって生きていく姿勢を生徒に伝えていきたい。また、卓球を通して、いろいろな人と出会い、世界が広がっていきました。障害者は家に閉じこもりがちです。スポーツを通して、社会と接点を持てること、自己実現ができることを伝えていきたいと思います。 

 大会では、たくさんの人に支えられました。このことに、心の底から感謝しています。



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