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2003/07/30 掲載 「夏祭り-輝く盛り上げ役の生徒たち-朝日新聞秋田版朝刊」

 20、21日に秋田市の土崎神明社の例祭「土崎港曳山祭り」がありました。軽快な囃子(はやし)に合わせ、そろいの浴衣や法衣を身にまとった曳(ひ)き子が「ジョヤサー」という威勢のいい掛け声とともに、山車を引き回して各町内を練り歩く夏祭りです。20日は中学校の巡回で、21日は友だちとたくさんの出店が並ぶ本町通りへ出かけました。 

 土崎中に赴任して以来、「港囃子保存部」を担当をしています。「港囃子?」と、最初はピンとこなかったのですが、今では生徒以上に熱が入っているかもしれません。学区内に引っ越して2年。祭りが近づくと、帰宅時や買い物する時、「寄せ太鼓」や「湊(みなと)ばやし」「あいや節」「湊剣ばやし」など、生徒たちが部活動で何度も聞かせてくれた太鼓や笛の音色、掛け声がどこからともなく聞こえてきます。 

 祭りでは途中、山車を止めて各町内の踊りが披露されます。きれいにそろっている踊りを見て、「何度も練習したのだなあ」と感じました。人間関係が希薄といわれる中、踊りの練習をしたり、山車を作ったりなどして、人と人とが結びついている土崎に港衆≠ニしての誇りを感じます。世代を超えて祭りを楽しみ、伝承していく、この土地で育つ生徒たちはうらやましいものです。 

 両日とも多くの人が繰り出し、熱気であふれていました。本町通りで僕は「ブ〜ン」 

と電動車いすを走らせていました。「先生、これ電動車いすと言うんでしょ」と尋ねる 

生徒。「乗ってみたい」「何かおごってよ」などと、たくさんの生徒に会いました。祭りを盛り上げている生徒たちがちょっぴりまぶしく見えました。地域に住む一人として、「来年こそ祭りに参加したいなあ」と思いました。 

 祭りの次の日が1学期の終業式で、翌23日から夏休みに入りました。1学期最後の授業。夏休みについて「今、できている問題が夏休み明けにできなくなっていることがないように」「さぼったぶんだけ、2学期の学習が分からなくなる」と話しました。僕としてはこの夏休み、日ごろ教師として経験できないような体験や、授業の教材研究・研鑚(けんさん)に明け暮れ、一回り大きくなった姿を生徒に見せることができたら、と思っています。



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