■ありのままが一番ステキ
《目的》
身体の不自由な方々が一堂に集い、大会を通して互いに交流し激励しあうことにより自立意識を高め、市民の障害者に対する正しい理解を深めることを目的とする。
《主催》
秋田市 秋田市身体障害者協会
《日時》
平成12年7月9日(日) 10時00分〜15時00分
《会場》
秋田県社会福祉会館 10階大会議室
《大会テーマ》
障害者プランの推進を図り積極的に社会参加と自立に努めよう
【大会次第】
10:00 ○あいさつ 秋田市身体障害者協会会長 佐々木 晋逸 秋田市長 石川 錬治郎 表彰式 祝辞 秋田市議会副議長 榎 清様 秋田市社会福祉協議会会長 永井 進之助様 体験発表 荒川 勲 「きらめいて生きよう」 本間 金勝 「私の人生航路」 三戸 学 「ありのままが一番ステキ」 11:00 ○講和 秋田経済法科大学短期大学部 教授 田中 玲子氏 「いつまでも若々しく健康で」 12:00 会食・懇談 15:00 終了
三戸 学
僕は昨年の10月から今年の3月まで、秋田市立豊岩中学校<略:豊中>で非常勤講師をしました。豊中は初めての赴任校です。初めて出勤する日は、大きな喜びと期待を感じました。少しの不安はありましたが、それ以上に生徒たちと関わることができる嬉しい気持ちでいっぱいでした。生徒たちと一緒に半年間を生活しようと思っていました。
豊中は1学年1クラスの小規模校で1、2年生の教室は2階に、3年生の教室は1階にありました。僕は階段の上り下りはサポートが必要で、授業が始まる前、1年生、2年生の数学係は「先生、行こう」と、僕を迎えに来ました。僕は生徒の肩を借りて、僕の教科書、授業で使用するプリントを持ってもらい、生徒たちと一緒に一段ずつ階段を上って、教室に向いました。
僕は全学年の数学の授業と3年生の英語の授業を受け持ちました。正教員が授業をしているとき、生徒の間を回りながら、アドバイスをすることが主な役割でした。僕がメインとなって行う授業は板書が困難なため、予め授業内容を書いた画用紙を用意し、黒板に貼って授業を展開しました。生徒の発表は生徒に板書をしてもらいました。僕は椅子に座って、授業をするので、生徒と同じ目線になり、とても一体感・親近感を感じます。“生徒と一緒に作っていく”これが僕の授業です。生徒たちの評判は良かったらしく、生徒たちから「先生の授業、分かりやすい、面白い、楽しい」と言われ、大きな自信になりました。
生徒たちのサポートも、僕の生徒たちへの関わり方だと思って、積極的にサポートを頼んでいきました。初めはぎこちなかった生徒たちも、1週間もしないうちに慣れてしまいました。生徒たちは僕のサポートを楽しんでいる様子でした。「学校に来ても、何も役割はないけど、先生のサポートならできる」と言ってくれた生徒の言葉はとても印象的でした。女子生徒からサポートをしてもらうときは最近、良く言われている<セクハラ>と間違えられてはまずいと思い、とても緊張しました。
生徒たちは“先生にそんなこと言われなくても、とっくに知っているよ”というノリで、接してきました。逆に、先生方が戸惑っていたように見えました。半年間の任期を終えるころには、生徒たちのまなざしが少し優しくなったように感じました。生徒1人ひとり、僕から何かを学んでいるようで、生徒たちの変化に先生方は深く感じ入っている様子でした。僕はありのままに生きる自分を通して、<ありのままの自分でいいんだよ>と、1人ひとりがかけがえのない存在であり、<1人ひとりが違うことのすばらしさ>を実感して、自分をもっと大切にできるような人になってほしいと、上手に伝えられたかどうか分かりませんが、生徒たちに伝えたいと思っていました。
豊中の楽しかった半年間は心の中で、キラキラと輝いています。この経験を胸に、今月下旬に行われる教員採用試験に臨みます。
身障だより 42号
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