■☆輝いて生きる 2000年★ 障害児者の地域生活支援を考える秋田ネットワーク主催
2000年 3月19日
第4回 講演会&交流会
〜こんな生活、できたらいいな〜
【会場 秋田県生涯学習センター講堂】
日程 12:15〜 作業所等の活動紹介コーナー開設:製作品・写真等の展示 13:00〜13:30 開会セレモニー (「みんなでうたおう!」石田雅士さん) 13:30〜15:00 講演会 講師 内藤由美さん(台東区身障児者を守る父母の会 会長) 15:10〜15:40 意見交流 (三戸学さん 長谷川恵子さん)
講演会
内藤さんの息子さんが重度の脳性マヒ者(CP)である。息子を見ていて、「親亡き後、この子はどうなるのだろう。施設行きかな」と思っていました。今から、13年前、障害児の親たちの間で、「いずれ、子どもたちは秋田とか青森とか…東京から遠く離れたところの冬なんか、雪が積もって、とても寒いところの施設に入らなければならないのかなぁ」と真面目な日常会話だった。
「こんな生活、できたらいいな」
自分たちの子どもが施設に入所しなければならない現状で、夢や希望を語り合った。これが「りんご村」の出発点である。
生涯にわたる豊かな選択肢の創造…「台東区身障児者を守る父母の会」の活動紹介
青りんごの会(重い障害の小・中・高校生とその家族の会)
…定例の子ども会。りんご村でのボランティアとのお楽しみ宿泊体験。親たちの勉強会。
宿泊体験(生活ホームりんご村・昭和62年より)
…身障者が生活しやすいように工夫された一軒家で本人と親の希望に合わせた期間、ローテーションを組んでボランティアと一緒に宿泊。日中は地域の作業所等へ。
自立生活体験(生活ホームひまわり・平成9年より)
…りんご村の近くの民間マンション内。将来、自宅や賃貸住宅なとで自立生活を営むべく、コーディネーターの支援を受けて自立生活の疑似体験と準備。期間は6ヶ月単位。新しい自立の家「アポロS・I」ももうすぐ打ち上げです。
余暇活動(わくわくイキイキセミナー)
…調理、初詣、ミニ旅行、コンサート、車椅子ダンスなど。
学習会活動
…ボランティア向けと親向け(暮らし方教室、施設見学等)があります。
地域交流・資金活動等
…誰でも歓迎の夕食会。地域のお祭りへの参加と出店。母親らによるウエス作業。ガレージセール。等々。
地域援助事業
…ショートステイ(台東区緊急一時保護事業を受託)
りんごエイドケアセンター(介護人を家に派遣)
移動教室
…のんびり一泊旅行。海外旅行にも挑戦。
こんな生活って?
どんなに重い障害を持っていても、地域での希望する暮らしを求める権利は持っている。自分がどのような生活をしたいか、どのような生活をできるのか、このような視点から日々の生活を見つめなおしてみよう。
現在の福祉制度を充分に知ることが大切である。そして、それを充分に使いこなすこと。例えば、子どもにおりてくる「障害者基礎年金」はあくまでも、子どものお金だ。それを親は勘違いして、生活の一部に当てないこと。年金を上手く使うと、かなり豊かな生活ができる。
自立体験ステップの整備
宿泊活動
ステージ1 まずはりんご村へ来てみよう
りんご村を知っていく。「どんな所だろう。行ってみようかな」 通所帰りに、家ではなくりんご村へ一歩足を踏み入れる。 りんご村で過ごす。「ちょっとお茶でも飲んでいこう」 少し慣れてきたから、夕食でも食べて帰ろう。次は泊まってみようかな。
ステージ2 連泊目指してがんばるぞ
2ヶ月に1回ぐらいは1泊できるようになってきた。毎月1泊の宿泊に参加できる。1ヶ月の中で、1泊の宿泊を2回してみた。2泊(連泊)できた!!
ステージ3 宿泊で体験したことを生活に結びつけよう
3〜5泊の連泊は当たりまえ。土日は家に帰るが、2週間やってみる。3週間の連泊に挑戦。自分の暮らしを計画的に考え、組みたてる。(ボランティアと協力しながら)
生活ホーム ひまわり
自立生活疑似体験の場
住民票を移し、各制度のサービスを使いこなす。半年間の自立生活疑似体験の場(専任のコーディネ―ターがサポート)
アポロS・I
居住の場 りんご村に宿泊体験ひまわりの自立生活疑似体験を経て、そして、いよいよ自立へスタート。 S…スペース(space) ステップ(step) スタート(start)
I…インディペンデンス(independence)
障害者の自立体験のステップである。このように段階的に踏むことによって、身障者は自分で自分のことを決める自己決定権を学ぶ。
できたらいいな
すべての原点は「できたらいいな」という願いから。一人ひとり、願いを大切にしよう。願いのないところには何もうまれない。
個人の思い・願いは団体としての活動目標にする。それが、施策として確立するように働きかける。行政施策にリンクさせていく小さな実践活動の積み上げが大切。例えば、りんご村の様々な自立体験をしてみて、どのように変わったのか具体的に変化を見つめていく。その変化から、行政に認めさせていく取り組みが大切。
重度障害者とは重複障害者のこと。例えば、脳性マヒと知的、とか…2つ以上の障害を持っていること。重複障害者であっても、地域のなかでボランティア、いろいろなサポートで支えられながら、生活は可能だ。実践活動から見えてきたことを発信していくことの必要性。多くの人たちに共感してもらい、地域支援の輪を広げていきたい。ちょっとずつのつながりが大切。関われる範囲で、関わってもらう。ボランティアの人たちからも「りんご村に来ると、何となく落ち着くよな」と感想を述べてくれる。ボランティアにせめて交通費ぐらいは払おうかな、と考えたそうだけど、ボランティアの人たちから「無料だから、りんご村に来るのよ。お金を貰ったら、逆に行きずらくなるよ」と言われて、ボランティアは無料でやってもらっている。
意見交流
アドリブを聞かせながら
内藤さんの話を聞いて、りんご村のようなものが秋田にあったら、とてもステキなことだろうなと思った。僕なんか、1週間に1回はお酒を飲みに行くだろうなと思う。
秋田市立豊岩中学校での半年間の生活を語った。
「生徒たちに罪はない。僕も含めて、それを受けとめる大人側に問題があるのではないだろうか。生徒たちのまなざしの確かさに、僕は大変期待している。教え子と一緒になって、語り合いながら、豊かな地域社会を創っていきたいと思っている」
学校というところはとてもバリアがある。例えば、階段など。しかし、生徒たちにサポートをしてもらうことで、生徒たちにとって、学びの場になる。だから、バリアがあるという理由で、敬遠することはできない。
僕と同級生の泰ちゃんのお母さん
娘との22年を振り返って、鋭く秋田県の医療の問題を指摘した。
「娘は難治性てんかんのため、薬を切らしたことはありません。2年前の20歳のとき、体調が悪く、パニックもひどかったけど、『秋田では、娘を助けてくれるDrがいないのです』と横浜にいる金野公一先生に電話をしました。先生は宮城県の「てんかん専門病院ベーテル」というところを紹介してくれました。ワラにもすがる思いで、車を走らせた。『子どものことでは、24時間電話をして良いです』という言葉にホッとしたものです。2ヶ月間、入院をして、娘はウソのように変わっていきました。
秋田の病院はとても気の疲れる場所。障害者が安心して行ける総合病院がほしいと思わずにはいられません。他のみんなはどうしているかを聞くと、みんな望んでいるのです。なんとか運動してゆかなければと思うこのごろです。親と作業所と医療とが娘たちのフォローをできるなら、もう恐ろしいものはないのですが… |
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